毎朝7時30分、大太鼓と大祓の詞に始まり、崇敬信者が大護摩祈祷を受ける建物である。
他社と異なるのは、神社であるけれども、内護摩を、八角形の護摩壇にて護摩木をお焚き上げしながら祝詞を奏上する点にある。
祭典、祈祷、正式参拝等は、他社のほとんどは、拝殿にて行うのが普通である。
しかし、当社は内護摩を焚く慣例上、祈祷殿が独立してあり、護摩壇の天井の両側は、手の込み入った独特の煙抜きの工法が取り入れられている。
御霊代神殿は神明造、幣殿と拝殿に当る部分は、間口六間、奥行十二間の流れ造、屋根は銅版段葺で、約150名の崇敬者が一度に祈祷を受けられる。
大護摩祈祷について
大護摩祈祷は、9世紀初期の平安の世、神仏混淆時代の古くからこの金華山を霊山として崇敬した修験者等により盛んに行われ伝わるもので、その後、時代と共に当社独自の修法で毎日、斎行されています。
即ち、護摩木と云う特別な御祈りを込めた板木を、祝詞を奏しながらお焚き上げする斎火は、荘厳且つ神秘的で、自然に人々に畏敬の念を生じさせます。
明治2年の神仏分離令以降も御祈祷の度毎に斎火として焚かれ、約千年もの長い間絶える事なく続けられた祈願行事です。
現在、神社界で今なおこの護摩焚きの行事を残している所は非常に稀です。
護摩木の起源は、遠く古代インドにまで溯ります。
もともと『護摩』と云う語は、古代インドの言語である、サンスクリット語で、焚焼(ほんしょう)を意味する「ホーマ(homa)」の音写で炉の中に種々の供物を焚き、天神地祇を供養することでした。
その後、仏教の一派である密教にとり入れられ、日本には弘法大師(空海)達によって伝えられました。